か
楷書(かいしょ)
もともと字画をきちんと正しく書いた書のことで、書体名となったのは宗の時代以降のことです。
戒名(かいみょう)
仏教において、仏門に入った証しとして与えられる名前。浄土真宗では法名(ほうみょう)と呼びます。
戒名簿(かいみょうぼ)
戒名を記した帳簿のことです。
画巻(がかん)
絵巻物のことです。
餓鬼草子(がきぞうし)
平安時代に成立した六道絵の一つ。国宝に指定されています。
家系図(かけいず)
ご先祖様をたどり、系統立てて記載したものです。系図(けいず)はある一族の代々の系統を書き表した図表で系譜(けいふ)ともいいいます。系譜といった場合は血縁関係のみならず学芸の師匠から弟子への師承関係を表した図表をいう場合も多いです。
掛緒(かけお)
掛紐(かけひも)ともいいます。巻緒にも使用する平紐で、白・黒・青の三色の糸で組んであるのが一般的です。黒と青の糸が、点々と鳥が木をつついた痕のように見えることから啄木(たくぼく)ともいいます。
掛軸(かけじく)
掛軸は書や絵を裂地(きれじ)という掛軸用の布で表装して床の間などに掛けて飾るものです。鎌倉時代に中国から伝来したと伝えられています。昔は日本画や書を掛軸に仕立てていましたが、今はその掛軸のスタイルもずいぶん変わってきています。
掛軸の収納箱(かけじくのしゅうのうばこ)
- 印籠箱(いんろうばこ)
一般的に使用されている形式
- 文人箱(ぶんじんばこ)
中央がわずかに凸状になっている。文人差し箱 蓋を小口にスライドさせて開閉する。
- 桟蓋(さんぶた)
蓋が一枚の板になっていて、蓋裏の両端に前後左右に動かぬように細い桟を打ってあるもの。
- 四方桟蓋(しほうさんぶた)
外見は桟蓋と同じだが、蓋裏の桟を四方に打ってあるもの。
過去帖・過去帳(かこちょう)
寺院において檀家で亡くなった人の戒名(法号・法名)、俗名、死亡年月日、享年などを書き留めておく帳簿のことで、多くは折り本形式で作られています。通常は亡くなられて50年以上経過した方を位牌から過去帳に移してもよい(移しなさいではない)とされています。法華宗・日蓮宗の場合には位牌のままでおいておくのが普通で、逆に浄土真宗の場合は位牌を作らないですぐに過去帳に書くのが一般的です。
画仙紙(がせんし)
檀皮という潅木(かんぼく)によるものが良質な本画箋といわれます。他にツラパルプ・楮・竹・雁皮などの数多くの種類があります。
川合玉堂(かわいぎょくどう)
明治6年(1873)~昭和32年(1957)、愛知県生まれの日本画家。風景画家。望月玉泉、幸野楳嶺、橋本雅邦に師事。
巻子(かんす)
巻物のことです。
巻子本(かんすぼん)
巻物の形に仕立てた書物のことで単に巻子(かんす)と呼んだり、また巻本(まきほん)とも呼びます。
雁皮(がんぴ)
ジンチョウゲ科の落葉低木です。暖地の山に自生し高さ約2メートルです。葉は絹毛があり、卵型をしています。
き
亀甲綴(きっこうとじ)
四つ目綴を装飾的に変化させた様式です。亀甲の文様を施し、縁起の良さ、めでたさに通じる綴じ方として喜ばれました。
経巻(きょうかん)
お経の文言を書いた巻きもの。
経師(きょうじ)
元々写経に携わる官吏のことをさしましたが、現在では書画全般の仕立から文化財の修復まで多岐にわたる活躍をみせています。
行書(ぎょうしょ)
漢字の書体のひとつで楷書の画をやや崩した書体ですが楷書より先に発生した行書体です。
行の三体(ぎょうのさんたい)
大和仕立のことです。神社関係、帝釈人物(聖人君子)像、大和絵、書なら重厚にする場合などに用います。
経本(きょうほん)
お経の文言を書いた本です。経典ともいいます。
玉池仕立(ぎょくちじたて)
本仕立のことです。
桐箱(きりばこ)
桐材は日本産樹木の中でも比重が軽く柔らかく狂いも少ない上、木目が美しいのでこれを用いた箱は最上の品とされています。防湿性・耐火性・防水性にも優れ、中に入る物を末永く保護します。
裂(きれ)・裂地(きれじ)
織物や反物の断片です。または、名物裂といわれる古代織物の断片です。
金襴(きんらん)
表装裂地の中で最も種類が多いです。経糸(たていと)は絹糸で緯糸(よこいと)は金糸を織り込んだものをさします。緯糸の金糸は雁皮(がんぴ)のきわめて強靭な紙に漆を下地として塗り、金箔を押すか金泥(きんでい)を塗るかしたものを細く裁断して用います。
銀襴(ぎんらん)
緯糸(よこいと)に金糸(金箔)の代わりに銀糸(銀箔)を用いたものをさします。銀を焼いて錆(さび)を出すこともあります。
く
空海(くうかい)
宝亀5年(774)~承和2年(835)、讃岐国(香川県)生まれの僧。真言宗の開祖。諡号(しごう)である弘法大師(こうぼうだいし)の名でも知られています。書道家としても能筆で知られ、嵯峨天皇・橘逸勢(たちばなのはやなり)と共に三筆のひとりに数えられています。
け
外題(げだい)
巻絹の上方右寄りに八双に沿うようにして貼り付けている細長い紙です。主に作者や題名が描かれています。
源氏物語絵巻(げんじものがたりえまき)
平安時代末期に源氏物語を題材にして制作された現存最古の絵巻であるとされてます。
こ
豪華本(ごうかぼん)
高級感のある装丁を施した本のことを指します。
康煕帝(こうきてい)
清朝第四代皇帝。在位は1661年~1722年。中国歴代最高の名君とされています。
康煕綴(こうきとじ)
四つ目綴の角をさらにもう一度二重に綴じて堅牢にした様式です。中国・清朝の康煕帝の時代に始まったとも伝えられています。
合金襴(ごうきんらん)
第二次大戦の初期、金箔の使用が禁じられたために工夫された合金箔によって織られたもの。銀と銅を溶解した箔を用います。
- 中金襴(ちゅうきんらん)
真鍮に銅を融解してつくった箔をしようしたもの。
- 半箔金襴(はんぱくきんらん)
緯糸(よこいと)に金だけでなく絹糸を混入し金を荒く入れたもの。
- 飛び金(とびきん)
緞子地にところどころ金糸を織り込んだもの。
- 綿地金襴(わたじきんらん)
木綿地に金糸を織り込んだもの。
楮紙(こうぞし)
主原料である楮の繊維が強靭で張力もあるため、重要保存を必要とする戸籍台帳・土地台帳・大福帳や唐傘・襖の下張などに用いられます。「細川紙」・「西ノ内紙」・「石州半紙」・「美濃紙」などがあります。
古事記(こじき)
日本最古の歴史書。712年、稗田阿礼(ひえだのあれ)が暗誦していた『帝紀』(天皇の系譜)と『旧辞』(古い伝承)を太安万侶(おおのやすまろ)が筆録・編纂し、献上したものです。
五尺もの(ごしゃくもの)
約151.5cmです。長さの単位である尺は寸の10倍、丈の10分の1。一尺の長さは時代などによって様々です。寸(すん)は約3.03センチメートルとほぼ同じ長さです。
胡蝶装(こちょうそう)
糸は使わず、二つ折りにした紙の折の外側(折り山)を糊で繋ぐ無線綴の様式。本文を開くと蝶の羽のような姿になるところから、粘葉装(でっちょうそう)の別名がある。
胡粉(ごふん)
貝殻から造られる白色の顔料のことです。日本画や日本人形の絵付けに用いられます。
コロタイプ(ころたいぷ)
約150年前フランスで生まれた印刷技術です。美しいガラスの板を原板に使用することから日本では玻璃版などとも呼ばれており、製版・印刷ともに大変手間ひまのかかる技術でですが、連続階調によるなめらかで深みのある質感、また和紙や特殊なコロタイプインキによる強い耐久性等、表現力と科学性を共に持っています。
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