は
箔押(はくおし)
膠(にかわ)や糊などを用いて金や銀の箔を布地に張り、模様を現す装飾法のことです。
白氏詩巻(はくししかん)
白居易の詩文集「白氏文集」巻第65のうちの8篇の詩を藤原行成(ふじわらのこうぜい)により揮毫されたものです。草書を交えた行書体で書写されています。
箱帙(はこちつ)
不規則な大きさの複数の冊子や、一枚ものの資料を保存するときに使用されます。
橋本雅邦(はしもとがほう)
天保6年(1835)~明治41年(1908)、東京生まれの日本画家。狩野雅信に師事。東京美術学校にて下村観山、横山大観、菱田春草、川合玉堂らを指導。日本美術院の創立にも参加しています。
柱(はしら)
掛軸や額、屏風などの本紙に回した表紙や表張りの左右の部分をいいます。
八双(はっそう)
掛軸のいちばん上につける半月形をした木で、軸棒と同質のものを用います。
縹紙(はなだがみ)
京都では青花紙、東京や金沢では藍花紙とも呼びます。品種を改良した露草(おおぼうしばな)の花弁から絞り取った花汁を和紙にしみ込ませ、乾燥させたもの。この花汁は極めて水に溶けやすく、水に簡単に流れ落ちるので、この性質を利用して下絵を書く材料として使用されてきました。
版画(はんが)
凸版・凹版・平版などの版を用いて刷った絵で、材質によって木版画・銅版画・石版画などがあります。一般的には木版画のことを指します。
版材(はんざい)
版画を行う際に、紙などに押す版面に用いる材料のことです。芋版画でいえば芋のことを版材とよびます。
版面(はんめん)
印刷する際、ハンコのように紙などに押し当てる側の表面のことをいいます。
ひ
PS版(ぴーえすばん)
アルミ製の板に親水性層を重ねその上に感光性樹脂を塗布した平版印刷用の版です。
東山魁夷(ひがしやまかいい)
1908~1999、神奈川県生まれの日本画家。代表作に唐招提寺御影堂障壁画があります。文化勲章受章。
美装箱・美装函(びそうばこ)
一般的には箱の材質にこだわったものや箱の装飾に凝ったものを指します。
表具師(ひょうぐし)
経師(きょうじ)ともいい、軸物や額を作ったり襖(ふすま)や屏風(びようぶ)を仕立てたりすることを職業とする人です。
表装(ひょうそう)
書画の保存と鑑賞のために布・紙などで縁どりや裏打ちなどをして掛軸・額に仕立てたり、布または紙をはって屏風・襖などに仕立てることをいいます。
屏風(びょうぶ)
木の枠に紙・絹を張ったものを二枚(あるいは四枚、六枚)連ねて折り畳めるようにした室内用具です。部屋の仕切りや防風・防寒用、また絵や書を書いて装飾品としても用いられます。
平織り(ひらおり)
織物の基本組織のひとつです。経(たて)糸と緯(よこ)糸を交互に交差させて織る最も単純な組織です。
平山郁夫(ひらやまいくお)
昭和5年(1930)~、広島出身の日本画家。前田青邨に師事。仏教やシルクロードをテーマにした作品を多く描いています。東京藝術大学前学長。
ふ
風信帖(ふうしんじょう)
国宝。空海が天台宗の開祖である最澄に宛てた手紙三通を一巻に収めたものです。
風帯(ふうたい・かぜおび)
天の部分の幅を三等分した位置に天の長さ分の裂をさげたものです。驚燕(きょうえん)ともいい、ツバメを驚かすためのものです。中国の掛軸には見られない日本独自のものです。一文字と同質の裂地を使用したものを、一文字風帯といい、中廻しと同質の裂地を使用したものを、中風帯といいます。
福島絹(ふくしまきぬ)
掛軸を巻き終わった時に表面に出るため「上巻絹」ともいいます。生糸のまま織り、練り加工を施してから蕨粉糊(わらびこのり)を多く含ませ、湖色に引き染めを施した薄く荒めの織物。福島県川俣が主産地であることからこの名があり、「川俣絹」ともいいます。
覆輪(福臨)(ふくりん)
縁取りのことです。
袋綴(ふくろとじ)
紙を半分に折ったものを重ねて折り目の反対側を糸やコヨリで綴じたものです。底のない袋のようになることから袋綴じといいます。
房(ふさ)
露(つゆ)・露花(つゆ)ともいいます。風帯下端の左右に付けた小さな房状の綿糸飾りです。主に、浅黄・萌黄・紫・白の4色が用いられます。
襖障子・衾障子(ふすましょうじ)
木の組子格子の表裏に絹や和紙を張り重ねた障子のことです。
仏画(ぶつが)
仏の姿や仏教に題材をとった絵画のことをさします。
仏仕立(ぶつじたて)
仏画・祖師像・題目・名号など仏教方面に限り使用します。普通の表装のように天地が中縁で分けられることなく四方をめぐるので総縁と呼びます。中縁の内外に必ず細見を巡らすので、四重縁とも沈め表具ともいいます。
仏像(ぶつぞう)
彫刻や絵画などの造形方式によって表された、信仰の対象としての仏の形像です。一般的には彫像のことを指します。釈迦仏のみならず諸尊仏の像をも指します。
風炉先屏風(ふろさきびょうぶ)
茶道具のひとつで、二枚折りの小屏風のことをいいます。わび・さびを尊ぶ茶道精神に添った、軽みと簡素な趣を持っています。全面を覆ったものと、上部が開いている物とがあります。
文人表具(ぶんじんひょうぐ)
本来は中国的な絵画や書に用いられる様式ですが、日本的な絵画や和歌・俳句などでも本紙の丈が長い場合は用いられることがあります。
へ
平家納経(へいけのうきょう)
国宝。長寛2年(1164)、平家の繁栄を願い厳島神社に奉納された三十三巻からなる装飾経です。
平版印刷(へいはんいんさつ)
平らな版を用いる印刷方式です。最も一般的なものにPS版を用いたオフセット印刷があります。
扁額(へんがく)
和額の中で横に長いものを一般的にこうよびます。
ほ
奉書(ほうしょ)
かつて将軍の命により執事や奉行から下した文書がこの紙に限られた事からこの名があります。木版画・目録・賞状・挨拶状・免状・礼式の包飾・懐紙などに用いられます。
法華義疏(ほっけぎしょ)
615年に聖徳太子によって著されたとされる法華経の注釈書です。
法名簿(ほうみょうぼ)
通常は戒名(かいみょう)と言い、浄土真宗の門信徒の場合は「法名」と言います。浄土真宗版戒名簿ともいえます。
墨跡(ぼくせき)
筆で書いた文字のことでいわゆる筆跡と同じことです。特に日本では禅僧の筆跡をさしてこういう場合があります。
墓籍簿(ぼせきぼ)
墓石の継承履歴を記すだけではなく、埋葬が終わると墓籍簿に故人の名を戒名(かいみょう)又は法名(ほうみょう)と共に書き加えます。
細見(ほそみ)
本紙の周囲や、天地と中廻しとの間の細い筋のことを細見といいます。細金(ほそがね)・細縁(ほそべり)・沈めなどともいいます。
本紙(ほんし)
表装する書画そのもののことです。材質は紙・絹・絖(わた)の三種類があり、紙本・絹本 (けんぽん)とも呼びます。
本ぱー(ほんぱー)*「ぱー」は糸偏に羽と書きます
支那ぱーより以前に織り出されたものですが、織り方に無理があり肌目が荒いので、支那ぱーの代用品として使われます。
本間もの(ほんまもの)
約175cmです。長さの単位である尺は寸の10倍、丈の10分の1。一尺の長さは時代などによって様々です。寸は約3.03センチメートルとほぼ同じ長さです。
本六尺もの(ほんろくしゃくもの)
約182cmです。長さの単位である尺は寸の10倍、丈の10分の1。一尺の長さは時代などによって様々です。寸は約3.03センチメートルとほぼ同じ長さです。
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