蔡倫(さいりん)

中国後漢時代の宦官。105年に樹皮・麻クズ・破れた魚網などの原料から紙を作り出しました。これまで蔡倫は製紙法の発明者と言われていましたが、前漢時代の遺跡から紙が発見されており、蔡倫は改良者と見られています。

佐竹本三十六歌仙絵(さたけぼんさんじゅうろっかせんえ)

万葉以来の歌仙三十六人の絵姿に詠歌を添えたものです。秋田の佐竹家に伝来したことからこの名で呼ばれています。

三尺もの(さんじゃくもの)

約91cmです。長さの単位である尺は寸の10倍、丈の10分の1。一尺の長さは時代などによって様々です。寸(すん)は約3.03センチメートルとほぼ同じ長さです。

三体白氏詩巻(さんたいはくししかん)

白居易の詩文集「白氏文集」に収まる詩を、平安三蹟の一人、小野道風が書いた巻物です。楷書行書草書の三つの書体で書写されています。

色紙額(しきしがく)

色紙だけの額装に特化した洋風和額のことです。

軸棒(じくぼう)

軸先をつける木の棒で、杉の白太(しらた)で作られています。表具に包まれるので、表には出てきません。

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                            軸先の種類

軸先(じくさき

掛軸の芯であり、掛軸を掛けたときの下端の錘(おもり)であり、巻上げや掛け下ろしの際に本体を汚さずに巻き戻すための握りであり、かつ掛軸全体の見栄えに関わる部分的意匠でもあります。軸頭(じくがしら)、軸首(じくくび)ともいいます。

軸助け(じくだすけ)

軸棒を巻いた紙の上に貼る絹の小片で、やはり補強の意味があります。

 

邨錀(しけ)

無地物の表装裂地のことをいいます。太邨刀i鬼邨刀j、古代邨刀i支那邨刀j、中邨刀A細邨唐ネどに分けられます。

    • 邨錀(ふとしけ)

緯糸に生糸の玉糸(節のある糸)を用いて織ったもの。後染め。

    • 邨錀(ちゅうじけ)

緯糸を太邨唐フ半数にして織ったもの。無理に糸を膨張させ加工するため、軸装にはあまり好ましくなく、主として屏風裏に用いる。

    • 古代邨錀(こだいしけ)

経緯とも同じ太さの節糸で織る。邨唐フ中で最も雅趣に富み、愛好者も多い。蕨粉糊(わらびこのり)でもみ込んで染める。肌目が荒く、織り糸に節があり、茶掛の天地用として用いられることが多い。

    • 邨錀(ほそしけ)

邨東ヲともいう。ヴェールのように薄く、表より裏の「上巻絹」に用いる。

四時山水(しじさんすい)

昭和22年(1947)、横山大観によって描かれました。

四重縁(しじゅうべり)

中廻しの内側と外側に必ず筋を入れるとこから「沈め表装」ともいいます。

沈め(しずめ)

細見ともいい、本紙の周囲や天地中廻しとの間の細い筋のことを指します。細金(ほそがね)・細縁(ほそべり)などともいいます。

支那ぱー(しなぱー)

織り方が塩瀬(しおぜ)に似ており、天地用の裂地の大半がこの裂です。主として無地ですが、ごく淡い紋様を織り出した「紋ぱー」もあります。蕨粉糊(わらびこのり)を含んでいるため、光沢がなく、落ち着いた感じです。支那ぱーの名はこの裂ができた当時の舶来品志向に由来しています。

紙布織(しふおり)

通称「布紙」「紙緞子(かみどんす)」ともいいます。経糸を絹糸、緯糸を紙糸で織り、後染めにしたものです。緯糸に用いる和紙が雁皮(がんぴ)であることから「雁皮織」ともいいます。高級品に使う事は少ないが、茶掛けや小品など素朴な味わいを求めるもの、箱(ちつばこ)、和装本の表紙などに用います。

    • 仙通(せんつう)・錦紗(きんしゃ)

無地の平織天地用。

    • 八千代織(やちおおり)・君が代織(きみがよおり

緯糸に太いのや細い紙糸を混ぜる。鬼?の代用。天地用。

    • 紋仙通(もんせんつう)

紋様の出し方が他とは反対に、経糸が表に現れて紋様となる。

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               四方帙

四方帙(しほうちつ

サイコロの面を展開したような形で、上蓋と中蓋・底のそれぞれの部分が溝で接合されており、本を立てたときの天の部分と地の部分、左辺、右辺から折りたたんで包み込むようなです。

(しゃ)

緯糸(よこいと)一本を打ち込むごとに、二本の経糸を交差させた搦み織(からみおり)の織物で、捩り織(もじりおり)ともいいます。生糸を用い、製織後に精練仕上げしたものを生紗、練糸を用いたものを練紗、 通組織を応用したものを風通紗といい模様を現したものを紋紗といいます。西陣、桐 、五泉などが主産地で、盛夏用の着尺地、羽尺地として用いられます。

蛇腹折り(じゃばらおり)

横に長い紙を蛇がくねったように何重かに折り重ねたものです。

書画(しょが)

毛筆で書いた文字と絵画のことです。

新羅(しらぎ

慶州を都とした朝鮮最初の統一王朝です。

神宮仕立(じんぐうじたて)

神社や真道にかかわるものの表具や帝釈人物(聖人君子)像などの本紙表装する形式で、大和絵や重厚な書などにも合います。

真書(しんしょ)

真体の文字の意味で、漢字を楷書(かいしょ)で書くことです。

砂子(すなご)

金銀箔の粉末のことで金箔の粉末を金砂子、銀箔の粉末を銀砂子といいます。蒔絵や日本画などの手法を染織品に応用し、接着剤を用いて布地に細かくまきつけ、模様を現します。立体感があり、まきぼかしもできるので、箔置きや、もみ箔とは違った効果があり、花嫁衣裳や振袖、留袖などの豪華な柄ゆきのものに多く用いられます。

生々流転(せいせいるてん

大正12年、横山大観によって描かれた水墨画です。

製版(せいはん

印刷用の版面をつくることをいいます。活字原版・写真凸版・オフセット版・石版・グラビア版などがあります。

製本(せいほん)

印刷物などを折り畳み、また原稿などを順序に従って取りまとめ糸・針金・接着剤などで互いに接合し、表紙などをつけて一冊子に形づくることです。和装本と洋装本に大別されます。

石版石(せきばんせき)

きめが細かく板状に大きくはげる灰色または淡黄色の石灰岩のことです。多孔質で水分をよく吸収し、脂肪に対する感受性が強いです。石版印刷に用います。

雪舟(せっしゅう)

応永27年(1420)~永正3年年(1506)、備中赤浜(岡山県)生まれの水墨画家・禅僧。京都の相国寺にて周文に師事。その後、遣明使に随行して中国(明)に渡り、水墨画を学びました。

セリグラフ(せりぐらふ)

セリグラフとはラテン語の絹を表す言葉です。絹やナイロンの紗(しゃ)を枠に強く張ったものを版とし、絵柄以外をインクが通らないようにブロックして紗の目を通してインクを押し出して刷ります。特徴としてはインクの厚みがあり、力強い表現ができ、あらゆる素材に刷ることができます。

禅語(ぜんご

禅宗独特の言葉で禅宗の寺院などの用語を指します。

禅宗(ぜんしゅう)

平安時代に伝えられた大乗仏教の宗派のひとつで、日本では臨済宗・曹洞宗・普化宗・黄檗宗(おうばくしゅう)の総称とされています。

線装(せんそう)

和本製本形式のひとつで、書いたものまたは印刷した紙を重ねて、糸やひもで綴(と)じる方法です。

草書(そうしょ)

漢字の書体のひとつで筆画を最もくずした書体です。

宋朝式(そうちょうしき)

宋朝とは、右肩が少しあがった感じの楷書体で、肉が細くたて長の活字です。明朝体の基となりました。

装幀(そうてい)

装本(そうほん)・装丁(そうてい)ともいい、書物を綴じて表紙・扉・カバー・外箱などをつけ、意匠を加えて本としての体裁を飾り整えることです。

総縁(そうべり)

総地ともいいます。の部分を続けて廻したもののことです。

祖師像(そしぞう)

仏教の教えを伝えた歴史上の高僧たちの像です。

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