生誕111年 赤羽末吉展 日本美術へのとびら 

絵本の主題にふさわしい表現を求めて日本の伝統的な美術を研究し、独自の解釈で絵本に取り入れた赤羽末吉。
本展では、赤羽の絵本に見る絵画表現に着目します。

「日本画」ということばは、明治時代に西洋画が日本に入ってきたときに、日本に伝わる画材を用いた絵画を区別するために生まれたことばです。赤羽は絵本を描くとき、主に墨や岩絵の具などの日本画の画材を用いています。
赤羽が最初に日本画を学んだのは、帝展系の日本画家に見習いに入った18歳のときでした。しかし、席画会で掛け軸にする絵を何枚でも同じように描くのを見て、自分には向かないと感じ、1年ほどで門を出たといいます。
本格的に日本画を描き始めたのは旧満州(中国東北部)に渡った20代からで、甲斐巳八郎ら画家の仲間に出会い、切磋琢磨しながら技術を習得していきました。1940年からは満州国美術展覧会で3年連続特選賞を受賞、満州画壇で注目を集めます。しかし、日本が第二次世界大戦に敗れて満洲国は消滅し、赤羽は1947年に、いのちがけで日本に引き揚げました。
15年間いた中国東北部から日本に帰り、赤羽はまず湿潤な風土の美しさに魅せられたといいます。特に雪国に憧れ、生活が落ちつくと毎年のように通って、その風俗を写真やスケッチで記録しました。赤羽にとって、しっとりとした雪国の風土はまさに墨絵の世界でした。赤羽が墨絵で描いた最初の絵本『かさじぞう』を発表したのは1961年、50歳のときでした。水気をたっぷりふくんだ墨線は、雪の湿り気とともに、人情のあたたかさ、素朴さを感じさせ、まさにこの雪国の民話の心を伝えています。(美術館HPより)

開催概要

スーホの草原に掛ける虹

会期:2021年5月29日〜2021年6月30日


会場:安曇野ちひろ美術館


住所:北安曇郡松川村西原3358-24


観覧料金:当日 大人900円

休館日:水曜日(5月5日は開館)、5月6日

お問い合わせ:0261-62-0772

公式HP:http://www.chihiro.jp/azumino/

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