バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰
動画でひと勉強がおススメ
最初におススメなのは、バーミヤンを紹介してくれる10分ほどの動画です。アフガニスタン中央部のバーミヤンが地理的、歴史的にどのような場所であるのか、さっと頭に入ります。2018年撮影というドローン動画で基礎的なことを頭に入れると、展示がよくわかります。700円の音声ガイドも、展示の中からポイントとなる21点を解説してくれます。ナビゲーターは声優・歌手の保志総一郎さん。
太陽神に重なるお釈迦さま
順路は、インド神話の太陽神スーリヤから始まります。釈迦はゴータマ・シッダールタというインドの王子さまでしたが、悟りを求めて城を出て、仏教を打ち立てました。ガンダーラ地方を中心とした柱頭や浮彫からは、仏教の興隆とともに釈迦が太陽神に重ねられていく様子がわかります。
示説明で、アフガニスタンのバーミヤンには崖に彫られた800もの仏教石窟があって、東西二つの大仏があったことを知ります。標高2500メートルの高地は交通の要衝で、多様な文化の交差点。仏教石窟である東の釈迦仏の頭上には、ゾロアスター教の太陽神・ミスラが描かれていたそうです。昔は異なる宗教が混在できる大らかさがあったんだなあという感慨を抱きます。返す返すも、タリバンによる2001年の大仏爆破が悔しくてなりません。
もっともバーミヤンの大仏は、タリバンに爆破される前から結構崩れていたそうです。東の釈迦仏は高さ38㍍。西の大仏の方が大きくて55㍍あり、弥勒菩薩像だと考えられています。古代人がどうやって彫ったことか。上から順に彫って下りてきたんでしょうか。
日本の研究チームが、大仏破壊前の写真やスケッチをもとに作成した、壁画の「書き起こし図」が展示されています。細かい仕事に頭が下がります。菩薩とは悟りを求める修行者のことで、弥勒菩薩は釈迦が涅槃に入ってから兜率天(とそつてん)で修業を積み、56億7000万年後に仏となって世の中を救うそうです。
もっともバーミヤンの大仏は、タリバンに爆破される前から結構崩れていたそうです。東の釈迦仏は高さ38㍍。西の大仏の方が大きくて55㍍あり、弥勒菩薩像だと考えられています。古代人がどうやって彫ったことか。上から順に彫って下りてきたんでしょうか。
日本の研究チームが、大仏破壊前の写真やスケッチをもとに作成した、壁画の「書き起こし図」が展示されています。細かい仕事に頭が下がります。菩薩とは悟りを求める修行者のことで、弥勒菩薩は釈迦が涅槃に入ってから兜率天(とそつてん)で修業を積み、56億7000万年後に仏となって世の中を救うそうです。
おなじみの玄奘三蔵法師がずらり
7世紀のバーミヤンの記録を詳しく残したのが、西遊記でおなじみの三蔵法師こと玄奘です。唐の都長安から経典を求めてシルクロードをインドへ向かい、17年かけて大量の経典を持ち帰って漢訳した、偉いお坊さんです。ここで知りましたが、お経ってもともとサンスクリット語で、それを漢字に訳したものを日本でも読んでいるんですね。当時の経典も展示されています。きれいな書体でした。玄奘を描いた絵は大荷物を背負って、なんと左耳にピアスを開けています。おしゃれとかでなく、仏教的には魔除けだったようです。旅行記の「大唐西域記」も展示されていました。これは「レ点」などの訓点の入った江戸時代の日本版でした。日本でも読まれていたとは驚きです。
もっと驚いたのは、遣唐使で海を渡って、玄奘から直接教えを受けた道昭という日本僧がいたことです。玄奘も弥勒菩薩を信仰していて、法相(ほっそう)宗という宗派が生まれますが、奈良時代の日本でも道昭の持ち帰った法相宗が隆盛したそうです。薬師寺や興福寺がこの宗派です。
国内外から、圧巻の弥勒菩薩像
弥勒信仰はバーミヤンやガンダーラ地方だけでなく、中国、朝鮮半島、日本にも広まります。地方によって弥勒菩薩像の顔つきが違うのがおもしろい。インド周辺では彫の深い顔つきをしておられますが、私たちモンゴロイドの国に来ると扁平なお顔になっています。ガンダーラの方では、髪を結い上げて水瓶(すいびょう)を持っているのが特徴だそうです。片脚を組んで頬に指をあてた「半跏思惟(はんかしゆい)像」も弥勒菩薩像には多いですね。修行で思い悩んでいる姿だとか。会場には曼荼羅(まんだら)もたくさん展示されています。(HPサイトより)

開催概要
会場:三井記念美術館(東京都中央区日本橋室町2-1-1三井本館7階)※入り口は日本橋三井タワー1階アトリウムになります
会期:2024年9月14日(土)〜11月12日(火)※会期中、展示替え有り休館日:9月24日(火)、9月30日(月)、10月7日(月)、10月15日(火)、10月21日(月)、10月28日(月)、11月5日(火)
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
主催:三井記念美術館、読売新聞社
入館料:一般1,500円/大学・高校生1,000円/中学生以下無料 ※70歳以上は1,200 円(要証明)
問い合わせ:050–5541–8600(ハローダイヤル)詳しくは美術館公式サイト(https://www.mitsui-museum.jp/)へ。
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