おひなさまと日本の人形
3月3日は桃の節句(せっく)。華やかで楽しいおひなさまの季節です。おひなさまの歴史は、罪や穢(けが)れを託して水に流した古代のヒトガタや、幼児のお守りとして平安時代から貴族が用いた天児(あまがつ)・這子(ほうこ)に遡(さかのぼ)ります。また平安貴族の子どもたちは人形などを用いて「ひいな遊び」というオママゴトを行なっていました。
祈りを託し、時に一緒に遊ぶという人形のあり方は江戸時代に引き継がれ、女の子のため桃の節句におひなさまを飾る風習が定着します。初期の雛人形は紙製の立雛(たちびな)であったと考えられ、いまだ手遊(てあそ)びの要素が強いものでした。
17世紀の前半には宮中の特別な誂(あつら)えとして絹の衣裳(いしょう)を着た座雛(すわりびな)が登場し、武家(ぶけ)や町方(まちかた)にも広まります。特に富裕な町方では錦や金襴(きんらん)をふんだんに用いた享保雛(きょうほうびな)や古今雛(こきんびな)など、華麗な人形が生み出されました。
今年はこうした歴史をたどる様々な雛人形とともに、江戸の地で製作された雛飾りの名品を展示します。前川(まえかわ)家伝来の「雛人形および雛道具」や日比谷(ひびや)家伝来の「古今雛」は幕末期における江戸製雛飾りの最高水準を現代に伝えるものであり、また何より製作年代と伝来した家が明確である点で重要な作品です。おひなさまを初めとした人形の世界を通じ、繊細で美しく、そして可愛らしいものを尊ぶ日本の美意識を感じていただければ幸いです。
前川家伝来の雛飾り ―華麗なる江戸の極小雛雛道具―
会期中、本館インフォメーションにて配布しています。
※なくなり次第、配布は終了します。
(美術館サイトより)
料金 一般 1,000円、大学生 500円
- (注)特別展の場合は別料金となります。各特別展の案内ページをご参照ください。
- (注)障がい者とその介護者各1名は無料です。入館の際に障がい者手帳等をご提示ください。
- (注)高校生以下および満18歳未満,満70歳以上の方は,総合文化展について無料です。入館の際に年齢のわかるもの(生徒手帳,健康保険証,運転免許証など)をご提示ください。
休館日 月曜日(ただし月曜日が祝日または休日の場合は開館し、翌平日に休館)
開館時間 9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
※政府から緊急事態宣言が出されたため、当面の間、夜間 開館を中止いたします。
※特別展の開館時間は、別途ご確認ください。(特別展ページへ移動)
※黒田記念館は9:30~17:00
問い合わせ先 tel.
公式サイト https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2077
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